★今回はWSJのメンバーがボランティアで参加している自然観察活動について、
その内容や活動に対する想いを紹介します★
地元の子どもたちを対象に、年間を通じ月1回季節に合わせた自然観察や体験の活動を行っています。今年度で13年目になりました。私のところでは、スタッフはみんなボランティアで、地元以外からも来てくれています。春は田んぼでカエル観察、夏は川で泳ぎながら水生昆虫や魚を採って観察、冬は遊びながらカモの種類を観察する「かもかもビンゴ」などが、主な活動です。「化石さがし」も子どもたちに大人気です。
私の住まいは県内でも自然の豊かな場所ですが、学校は統合が進み通学距離が長い子も多いためか、放課後に子ども同士で集まって遊ぶ姿はあまり見られません(家の中でゲームをしているのかも知れませんが)。自然に囲まれた地域でも、子どもが自然の中で遊ぶことが少なくなっていると感じます。
私の行っている活動に参加している子どもたちは、自然について興味を持っている子がほとんどで、図鑑やマスメディアなどからの情報はとてもよく知っている子が多いです。しかし、実物を見たり触ったりという経験が少ないようです。なので、活動に参加することで、生き物を見つけるポイントや捕まえたときの反応、触ったときどんな感触でどんな臭いがするのかなど、実際に自分でやってみて図鑑には書いていない多くのことが学べることを実感として持ってほしいと思っています。
この活動を始めたのは自分が自然の中で遊びたいからだったのですが、今ではこのような活動がとても大切なものに思えます。子どもの時期に自然に触れて遊び、楽しかったという気持ちを持っているかどうか、そのことが大人になってからの自然を見る目、受け止め方に影響していると思うからです。そして、野生動物と人との軋轢の軽減や自然環境の保全などには、それを仕事として携わる人以外の方々の理解が大切だからです。
全国で自然と親しむイベントなどの取り組みが行われていると思います。前述した理由から、活動を実施する側が科学的根拠を持って実体験に基づく「ほんもの」の情報を参加者に伝えることがとても大切だと感じます。
話は変わりますが、本が出ました。「とちぎの野生動物~私たちの研究のカタチ」という本です。ここ30年くらいの栃木県内の野生動物の研究を読み物としてまとめた内容です。是非ご一読ください。私もチョットだけ書かせていただきました。